活動としては、ジャズのビッグバンドでの演奏、近所のライブハウスでのジャムセッションや 友人に誘われたハードバップのクインテットでお店で演奏していたりしていました。音楽活動 の機会には恵まれた状況にいたと思います。うまくなりたかったので、ひとりでジェイミーな ど様々な教材や教則本を買って勉強したり、ライブに行ってはトランペッターをつかまえて色 々話を聞いたり、トランペットのレッスンに行ったりしていました。こうしているうちに、そ れなりに自分でも少しずつうまくなってきているのはわかっていたんですが、自分が抱えてい る問題も明るみに出てきました。アドリブをしていても、自分が吹かされている感覚。コード に吹かされている感じ。自分はこうやりたい!って思っているのに、手足を束縛されて身動き がとれないような。自信が無いとリズムの音を聴いて試行錯誤しながら吹いている自分。。。 「ジャズって自由な筈なのに、全然自由じゃないじゃん。」 そんな時に、どこかにヒントが無いものかと雑誌をめくっていると、ページの片隅にあったと ても小さいsonicの広告が目に留まりました。早速ホームページにアクセスして何度も何度も 読みました。ホームページの背景も怪しいし、内容も難しくていまひとつピンときません(笑)。 ただ、自分のやりたいことができるようになるかも知れない、とは直感的に思いました。とり あえずやってみて何かヒントが得られればいいや、やってみよう、って思い、沢村さんにメー ルしてみました。早速返信をいただき、すぐに本コースの話になるのかなぁ、と思いきや、ま ずは体験レッスンに来てください、とのことなので、行ってみることにしました。 体験レッスンでは、難しいことは一切なく、好きなようにキーボードを弾いただけなのですが、 これが本当に楽しかったんです(当時はあまりわからなかったんですが、この楽しさが基本な んだよなぁ、っていうのを今改めて感じます)。それで、こんな感じでレッスンができるなら、 やっぱりやってみようと思い、「32時間集中コース」のレッスンを受けることにしました。
僕の場合は、平日は遅くまで仕事をしていたので、週一回で定期的にコースを受講しました。 最初の数回のレッスンは、楽器を使って体験レッスンの延長のような感じで入っていきまし た。ここでは、しっかり吹くことも重要だけれど、その裏には自分の確固たるイメージを持 っていないと音楽にはならないんだなぁ、ということを痛感しました。ひとつの音に対して も色んなイメージがあるし、そしてそれは自分だけのイメージであって、それを楽器で表現 できたらいいなぁ、と。沢村さんの家の庭には、いつも綺麗な花が咲いているんですが、そ の花たちも色んな音で咲いているのがわかります。
その後は、譜面系やコード系を基礎からみっちり叩き込まれます。僕は、譜面もコードもあ る程度わかると思っていました。が、それは知識として持っていただけで、実際に使えるだ けの即応力が備わっていなかったことがわかりました。普段使っていなかった頭の部分をフ ル回転して使うので、レッスンが終わった後はかなりぐったりきますが、同時に爽快感を味 わえました。
これが終わると様々な曲のアナライズができるようになります。今では苦も無くアナライズ できてますし(もちろん、なかなか出来ない曲もありますが・・・)、今まで知っていた曲で も違う一面が見えてきたりして楽しいです。さらに、自分が演奏している時は、自分の音を 味わうことができるし、人からも「フレーズかわったよね〜」と言われる機会も多くなりま した。以前は、コードを追いかけるのが精一杯だったのが、今は1コーラスをストーリーと して楽しめるので、これはとっても大きな収穫です。ただ、これでおしまい、ということは なくて、逆にやらなくちゃいけないことが見えてくるので、これからも頑張りたいです。
とにかく細かいところまでチェックされました。自由曲では、自分の持ち味を生かすことが できるように、曲の構成をどうするか、音の使い方などを先生には試験官の耳になってもら ってチェックしてもらいました。僕の場合、自由曲は無伴奏ソロでやろうと思っていたので、 ひとつ音の使い方を間違えただけでも致命的なのです。もちろん伴奏があっても同じなんで すけど。普段はピアノで伴奏をしたりサックスを吹いている沢村さんに、じっと隣で聴いて もらうのはすごく緊張するんですが、こういったことが本番での自身につながったと思いま す。また、初見の譜面の読み方、演奏の仕方なども教えてもらいました。譜面の読み方は、 SONICの基本なんですが、実際にオーディションでシャープとかいっぱいついている譜面を 見るとやっぱり「ぎょ」っとしてしまいます。そこで落ち着いて基本に立ち返ることで、平 常心に戻ることができました。
まずは、自信を持って吹くことが大事です。「オレの音を聴けーーー!」って感じ(笑)。僕 は吹くときは、そう思ってます。あとで「ごめんなさい」ってこともあるんですけど、いい 意味でのハッタリは大事です。自身を持って吹き始めることができたら、後は自分が楽しむ ことです。もうひとつはテンションをすぐあげられるようにしておくこと。オーディション は短い時間ですし、始まった瞬間から自分の気持ちをトップギアに入れておくことが必要で す。僕の場合は、曲を吹くときに、その世界に入り込めるまでに時間がかかることがわかっ ていたので、あらかじめ自分がイメージした曲の世界の中に自分を放り込んでおきました。
以上です。
3月14日 金曜日 1:00~2:00 Taiken. お問い合わせ先 sonic@trust.ocn.ne.jp 会場:渋谷Nonaka music house 6F https://www.nonaka.com/nonakamh/mh/event/event_01.html